ふるさとは何処に

ふるさと、ときいて浮かぶものはどんなものでしょう?

ことばとしては、故郷、郷里、古里・・・といった感じになりますが、あえて文字にすることもないかもしれません。生まれた場所、住んでいるところ、懐かしさを感じるスポット、いろんな場があるのでしょうね。

先日、絵本作家のいわさきちひろさんの息子さん、松本猛さん(安曇野ちひろ美術館・館長)の講演をお聞きする機会があったのですが、そのおり、ちひろさんの絵をみるかたがなつかしさをおぼえる、という話をされてました。ちひろさんは子どもの絵を主体に描かれていたのでそれをみたかたが子ども時代を重ねたり、子育てに追われたりしていたときのことを想うのだと。唄にもありますよね、そういうこと。ボサノヴァ歌手の小野リサさんも、郷愁について語っておられました。

場所に限定すると、あまりいい思い出がない、ということもありますが、ふるさと、というのは心の安らぐ風景であったり、絵画、音楽、本、あるいは人であったりするのかもしれません。ありのままの自分に戻れる、魂の在処・・・・・・

私は不覚にも、ちひろさんの絵画展へいったときに泣いてしまいました。あのときの涙の理由は私自身よくわからないのですが・・・どこかで、還ってきたんだという想いもあったのだろうと

魂には実体がありませんから宇宙に飛ばすことも可能・・・だとしたら、月がふるさとであってもおかしくないのかな

・・・そんなことを、ときおり考えています。