霞町物語

読み終わってから書こうと思ったんですが、もうちょいかかりそうなんで(笑)

集中して読む、というより持ち歩いてぽつぽつ読む愉しみを優先したとはいえ、こんなにかかるとは・・・・・・

きっかけは雑誌の記事。街の紹介ページのようなところに西麻布周辺で昔、霞町と呼ばれていたところがある、と。その一文にこの『霞町物語』のことが書かれていた。早速、書店へ行って探しました。講談社文庫から出ております。・・・で、表紙もお気に入り。(特にマニアではないのだが)・・・何のことか知りたいかたはぜひ探してみてください(笑)

この本、浅田次郎さんの書かれたものなのですが、浅田さんの本は実は初めてでして。原作は読んでいないのですが、映画でいうと「鉄道員(ぽっぽや)」、「壬生義士伝」が好きでして。とにかく一冊は本を読んでみたい、と思っていたのです。テレビ番組でお話をされる浅田さんご本人もいいかただなあと感じていたので。

途中ですが充分、お人柄は伝わってきます。そして何故か、作中人物が自分とだぶってしまいます。まったく同じ体験ではないのだけど感覚的に通じるというか・・・登場人物は大半男性なのに(汗)ちょっと時代劇っぽい空気もあるからかな。

年代として誰もが通るであろうほろ苦さのようなものを感じますが、そうしたものは過去として消してしまうのではなく、失わずにもち続ける、引き連れて生きていくものかもしれないですね・・・

本といえば、以前お話をした『新訳 孤独』(アンソニー・ストー 著 創元社)はようやく読了しました。著名な作家や学者や研究者も生々しい人間なんだなあ・・・としみじみ感じておもしろさはありました。作品とか著書とかはばくぜんと知っていても、人となりはあまり・・・という場合が多いですが、人間側からはいってみるのもひとつの手かな?それがささいなことでほかとつながっている・・・ということもある。驚きや発見。これがあるから新鮮なんですね。

手ごわかったけど、選んでよかったな、と思う一冊でした。・・・さて、浅田さん同様、人物として素敵だなあと思いながら未読の作家さんがもうひとり。その話はまた別の機会に。