なみだがでるのは

からだに一気に波が押し寄せるみたいに

すうっと水があふれてくる

泣きたいといってる訳でもないのに

かってに どうしようもなく こぼれおちる



そんな ときなんだって おもうけど

ちょっとしたことで 流れるから

ひとりでいなくちゃならない


自浄作用なのか 危機回避 調節機能か


わかるのは 子どものころに流したものとは違う

ただ それだけ

情けないけど ほんとうに


大人じゃないな まったく

だけど これ 通らないとだめなんだ たぶん


泣けなくなったこともあった

感情が動かない いや 動かせなくて

まるで 命が凍ったみたいに


だから  ね

いま 泣くのは それが流れていくのは

つらさ とか いたさ とか よりも

ああ 生きてる 動いてる

こころに 何か 宿ってる

誰かが 棲んでる


じぶん ひとりの命じゃないんだって


こんな なみだもあるんだ

すごく あたたかくて どこか

しあわせな



ふいに 昔

何かでよんだ 科白がよみがえる



その 状況のようには

情景はきれいじゃないかもしれない

それほど健気な人間でもない

でも  これがもし

愛 であるとか 情 であるとか

そうしたかけらなのだとしたら



止まらない 止められない

この 魂を

あふれだす この いのちを

どうか ゆるしてください

たすけてください








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