命をありがとう~いま、伝えたいこと
人気者でも、可愛いわけでも、明るくもない人間がこうしてここにいる。
誰でもいつかはこの世からいなくなります。けれど、戦争があるわけでもないのにここでは年間多くの人が命を落としていく。病気でも事故でも災害でもない理由で
つらくて、くるしくてたまらないことはいっぱい。そういうことほど相談できなかったり、話せなかったり。・・・私も、いつボーダーラインをこえて向こう側へいってしまうかわからない。そのことに怯える日もあります。ただ、意識や理性がなくなるさいごの瞬間まで精いっぱい生きられたら
かなり早くから、ここにいてもどこか浮いている自分を感じてた。それがたまらなく嫌だった日々もある。消してしまいたい・・・そのことばかり考えていた時期もありました。でも、ここにいる・・・振り返るといつも“護られている”気配はあったんです。
気づきがはじまったのは十年くらい前から・・・すきなひとに逢えたのも苦しい期間を経たのちで、黛まどかさんの『ここにあなたのいる不思議』で本の世界に戻り、荒木幸史さんのコスモスの絵に宇宙を感じた。そうして藤城清治さんの影絵の世界に人生を重ね、いわさきちひろさんの絵がそっと・・・私を包んでくれた、“おかえりなさい”と語りかけるように
涙もろくなったのは年令だけのせいじゃない。心身ぎりぎりの状態で出会った新風舎のかたは、ふつうは話すことのできない私からごく自然に言葉を引きだしてくれました。当時はからだを動かすのも難儀で、声をだすことも困難だった・・・そこからメールや手紙、原稿などによる格闘がはじまったのです。そのかたからのさいごの電話の直後、私ははじめて泣いたのです、説明がつかないほどあらゆるものがあふれてきて・・・きっと相手のかたの想いが自分のなかにはいってきた、私のなかで何かがほどけはじめる合図だったのだと
みえるもの、みえないものからもらったいのち、生かされているいのち
あらゆるものにありがとう、そして・・・・・・私の奥深くで闘い続ける“わたし”のいのち、こころ、魂への感謝をこめて