桔梗によせる想い

桔梗の花を、実際にみたのは数年前。

手元の植物図鑑を見るかぎり、わりと広範囲に生息しているようですが、「山野」っていうのが鍵なのかな?・・・そもそも何で浮かんだんだろう・・・
そんなことを思いながらずっと桔梗の花に逢いたいと願っていたのでした。

処は晴明神社。・・・ブームより少し前から、安倍晴明というかたに関心があったのです。
といっても、歴史に詳しかったわけではないし、その分野の学問にふれていたわけでもなかった。ただ、このかたに関しては謎の部分が多いとされていることから多方面での見解があるというのが面白かったのかもしれません。実在するとかしないとか・・・その他諸々。
参考文献にもあたりたいところですが、現況では少々無理がございまして。
陰陽道がらみの本は一冊読みました。・・・しかし、物事は諸説ありますからこのあたりも識者によって分かれるんだろうな。

時季がすぎようとしていたこともあって、咲いていたのは一輪でしたが・・・
来るのを待っていてくれたみたいでとてもうれしかった記憶があります。しかも、白い桔梗だったから。。。

一年ほど前には催しのあった会場の近くで見かけました。そのときは紫の花でしたが、ふしぎなことがありました。。。。

桔梗の花のかたちを思い浮かべてみてください。
・・・星のかたちに似ていると思いませんか?あくまで記号化されたかたち、ですが。
符号ともいうかな?ちなみに晴明神社の社紋もこのかたちなのです。
この花に惹かれるのは色合いやかたちもあるのかもしれない、でも、たぶん・・・
咲いている雰囲気がすきなのでしょう。
華美ではなく、ひっそりとしているけれどしっかりと根をはって、きりっとしている。
どこか凛々しさを感じさせる姿・・・・・・

そこからさかのぼること何年か前の自分には、そんなちからはのこっていませんでした。
どうにかしなければと思えば思うほど、じわじわと闇に取り込まれてちからを奪われるばかり・・・動くこともままならなかった。
だから、晴明神社で桔梗に出逢ったのは奇蹟のようでした。・・・夢だと思った。

時折、自分の存在なんて誰も必要としていない、そう考えてしまうことがあります。
そういう人って多いんじゃないかな。だけど、そうはみえない人も実は同じようなことを考えているのかもしれないのです。傍目には何の悩みもなく、何の努力もせず、何もしていないように映ることもあるでしょう。現にそういう場合もあるにしても多くの人は、陰でものすごい努力をしたり、とてつもない苦しみをかかえていたりもするのです。
私はそうしたひとをたくさんみています。

“ちゃんとじぶんのことを愛してあげなきゃね”
心友のひとことが、私を照らしてくれた、そのあかりを
誰かにおくりたい
・・・どことなくこの想いに通じるものを感じるのは
演劇集団スプートニク主宰の吉岡毅志さん
お芝居も素敵ですよ、ほんとに温かさが伝わるようで

桔梗は語るわけでも何かを伝えるわけでもありません。
必要とされてるかどうかなんて関係なく花を咲かせます。
在るだけでいいのです、人もおなじ。
誰かがきっとみています、想っています、祈っています、あなたのことを。
わたしは桔梗の花言葉のようにありたい、そう願っています。

心の音楽* A Talk with the Wind * Shigeko Suzuki