ただ ただ いのる
わたしのところからは 電波で状況を知るしかなくて
津波の映像をみたとき・・・
それが目の前にあるようで
海が 水が 生きている 魔物のように
呑みこまれた人は 車は 家は
からだがふるえて どうしたらいいかわからなくて
何が起きたかわからないままだった人も
身近な親戚の状況も 連絡がとれなくて不安にさいなまれることも
きっとたくさんあって
自分のからだひとつで精いっぱい 気持ちをどうもてばいいか
とまどうこともある
ともだち 知り合い せんせい 仲間
大切なひとは今
たしかめるすべがないわけじゃないけれど
できるかぎりその手をわずらわせずに
離れた場処のわたし ちっぽけでおおきなちからもない
だから 日常のくらしを淡々と おくるなかで
できることはないか 思いめぐらせる
無事でいて 何が起きていても
命があること
何にすがればいいかわからない
だけど どうか
そして何より 誰もがこころをしっかりと
大地におろして 根をはって
ただ いのる おもう
ただ うごく ねがう
どうか どうか どうか