星の王子さま

たぶん 小学校のころ

学級の本棚にあった だから

しってはいたはずだけど

読んではいなかった

なんでだろう

興味なかったのか と問われれば

ないといえばウソになる でも

引っかかりがなかったのか 逆に

何かが引っかかって読めなかったのか

王子さま という響きが純粋すぎて

天邪鬼なひねくれ者には手が出せなかった

面もあったかもしれない

なのにね 突然だったんだ

芸術家としてひそかに尊敬しているかたを通じて

それはあらわれた

あまりの出来事にあっけにとられつつ

これ もしかして読む時季が来たってこと かも

なんて感じたりして

訳を手掛けている人もさまざまだし 同じ物語でも

読む人によってとらえ方は違うよね

みんな どんなことを思うんだろ

王子さまの道をたどっていく 

何も感じないままか よくわからないけれど 

どこかでちかちかしてる

みえるようでみえない きこえるようできこえない

ただ なにかをこちらにしらせてきている

気配がそこに

とてつもなく しずかなせかい

さびしさじゃなくて かなしさじゃなくて

この かんじはなんなのか

ずっと そのせかいを彷徨っている

 


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