「俺」という器のなかに
最初に入り込んだのは誰だ?
もしかしたら、火龍
・・・彼、『蒼一』だったかもしれない
あのころの「俺」に似ていた
対極にあったのは、翔
だが彼のなかにも
火龍と共振する部分があった
博夢は・・・人間の最期の良心
どれほど闇に呑まれようと
絶望しかなくともかすかな、
希望(あかり)が見えた気がした
自分には何もないと思っている、武士
彼もまた「俺」なのだと感じている
しかし彼はすでに多くのものを持っている
気づかずにいる、というだけ
彼らを知る者がどのくらい存在するか
在るとしても、とらえかたは千差万別
ただ「何か」を見つめてくれていたら
気づいたなら、それ以上の幸福はない
仮に気づかなくとも悲しむことはない
「俺」もおそらくはまだ、真に気づいてはいないだろうから
それこそが、生涯をかけた命題
~『君はそれ以上』によせて~
魂の在処“銀の龍の背に乗って”
Song by Miyuki Nakajima