戦火の馬

近年はあまり映画を観に劇場へ行くことがない。
そんなにたくさん観るほうでもないが、以前ほど「これは絶対観る!」
と思うことがない。

関心が別にあるといえばそうだし、位置付けが変わったのかといえば
それもあるかもしれないが・・・

といって、劇場に行くのが面倒になった、とまでは言わない。

・・・その意欲すらなくなるのはけっこうコワいことだったりするけれど(汗)

で、久々に「動物よわし」の本領発揮(!?)
『戦火の馬』をようやく観て参りました。

まとめられるほど頭のなか整理されてないし、パンフ見ながら
書きたかったんですが、これもじっくりみないと無理そう・・・

個人的にはそれなりに関心あるかたには観ていただきたいと思っているので、
間に合えば。

私は外国へ行ったことがないからいつも思うのだけど・・・
土地が・・・とにかく広いなあと。
ぱっと見どこまでこの景色広がってるんだろうと途方に暮れるくらい。

でも、これが戦争によって荒れ果て、命の尽きた生き物たちの
遺体で覆われるとしたら・・・

タイトルからおわかりのように、この作品には戦争が色濃くからんでいます。
故に、主人公が運命の馬に出会って心を通わせていく日常と
戦争が始まってからの苛酷な状況との差がはげしく・・・こちらから観ているはずなのに、
ものすごく接近した体温を感じて。

人間模様も親子、夫婦、友達、ライバル?
無責任なギャラリーのような人々だったり、権力者だったり。
印象深い人物も出てきます。

描かれてはいないけれど、それぞれにいろんな背景があったのだろうな・・・

殺伐とした場面も多いですが、動物がからむので
たまにほっとする表情も。
プロのトレーナーさんがついておられるとは思いますが、
動物の役者さんたちはいったいどうやって演じているのでしょう??
なんかつい「名演や!!」と突っ込みを入れたくなったりもしました(笑)

馬がね、・・・本当に人間みたいで、いやヘタすると人間以上に
体全体から発する表情が豊かなんですよ。

思いやり、信頼、情愛、かなしみ・・・

馬の立場、その眼から描かれた物語というのがよく分かります。
なったことがないから分からないけど・・・感覚としてはそう、
完全に馬と一体化したみたいな気分でしたね。
話せないけどきっとこんな感情でいるんだ、こう言ってるんだ・・・と。

戦争のなかであらゆる感覚が麻痺しそうな状況にあって、
人間としての素晴らしさも観ることができました。

心にかかるものがあるなら、一度観たいと思ったのなら、
・・・まだ上映期間中ならば・・・
ぜひ観てください。ちょっぴりあきらめかけたのだけど、
私は、観てよかったです。

人生には、とても大切な瞬間があるんだ。

そのことを確信した空間でした。