しあわせにはいろんなかたちがある~心のたからもの

山下景子さんの『しあわせの言の葉』(宝島社)を読みました。たくさんの素晴らしい“言の葉”が詰まっているのですが、驚きと同時によろこびをおぼえたのが、いわさきちひろさんの“言の葉”でした。

おなじことばに、私はちひろさんの『ももいろのクレヨン 大切なあなたへ』(大和書房)と『ラブレター』(講談社)のなかで出会っています。そうして、絵や絵本もいつも共にありました。・・・ですから、山下さんの本でなつかしいひとに再会したような、そんな想いがあって。

『鏡のなかの私 もう一度みつめて』(大和書房)、『ちひろ・紫のメッセージ』(講談社文庫)とあるのですが、昔もいまも、無意識の部分でちひろさんの面影があったのかな、と。それゆえに初めて書いた物語『僕のたからもの』(新風舎)の人物のなかに“ちひろ”というなまえが浮かびあがってきた・・・ひょっとしたら姿をかえて、ちひろさんはずっと見守ってくださっているのかもしれません。

山下さんの本は、本が好きなかた、言葉に関心があるかた、女性のみならず男性にも読んでいただきたいです。こういう女性がいたのか、そして現代にもいろんな女性がいるのだな、と思いをはせていただけたら・・・

私は松井須磨子さん、神谷美恵子さん、石垣りんさん、高群逸枝さんの“言の葉”が印象深いです。とても素敵な“言の葉”がいっぱいですので、ぜひ。