泣き言はいわない

久しぶりに本屋さんに行きました。最近は行き当たりばったりで本を買うことは少なく、たいてい下調べをしてから行きます。・・・で、この日は気になる本を実際に見てどうするかを決めようとしたのですが・・・ほとんどが空振り。考えてる時間もけっこう長くてちょっぴり疲れましたが(笑)そういう時間も大切かなあと思ったりもします。

さて、せっかくここまで来たのだから・・・と大幅に(?)予定変更して、山本周五郎先生の本を探すことに。昔はどっちかといえば読むというより「見る」ものだったので、書いた人への興味はうすかったんですが、さすがにそのあたり変わりましたね。人となりを知りたい、ということもあり、エッセイや評論から入ることもふえました。

周五郎先生について書かれたものも何冊か見かけたのですが、どうもはいりにくい。そこで思い切って文庫のコーナーへ行くと、あった!・・・のは良いんですが冊数が・・・ありすぎて選べない(汗)とにかく入門書のつもりで読む。そう決めて手にしたのが『泣き言はいわない』(新潮文庫)。・・・表紙みたときにどきっとしました。なんだかひょっとして待たれてた?と感じてしまって・・・(私個人の事情による)

テーマ別に周五郎先生の作品から言葉を抜粋してあるのですが、これがなんとも・・・・・・心酔するかたが多いのもうなずける気がします。すでに読んでみたい作品はあります。ただ、長編のようなのでよほどちからをつけないと対峙できない・・・半端な気持ちでは取り組めないので。

たしかに泣き言はいわないほうがいい。でも、周五郎先生はそのこと自体をいけないといっているわけではないようです。どこまでも「人間」に寄り添って書き続けられたかたなんだろうか・・・と読みながらいろんな想いが交錯して。ほんのすこし、ふれただけの私ですらじんわりと伝わってくるものがある。こういうかたがいてくださって、作家として書いてのこしていただいて・・・もう、何といってよいかわからない。