夜明けをむかえに
四年前のきょう、あるお芝居を観ました。当時は外出するのもままならず、するとなるとものすごいエネルギーを必要としました。・・・だから、遠出ができなくて。それでも、これだけはいま、観ておかなくちゃならない、そうしなければ先へ進めないという想いにかられて。
お芝居のなかで印象にのこっていることば・・・台詞としてはうろ憶えなのですが、要点は“しない後悔よりする後悔”。つまり、しなかったことを悔やむのではなく、やってから後悔する、それを選ぶ、ということ。私自身、しなかった後悔が多すぎて二十代後半にさしかかったとき、それはいやだ、と何処かで意識しはじめていました。もちろん、失敗がなかった訳ではないけれど、いま思えばやったことに対しての後悔はあまりないのです。(ゼロとはいわない)・・・だけど、そのころは心身が疲れ果てていて自分のことも、周囲のことも考えられなくなっていました。このままではみんな倒れてしまう・・・そんな危機感さえ。
大切な想いを、そのお芝居が教えてくれた。・・・自分がどうしたいのかとことん考えて、本心から動くことにした、きっと生半可ではできないだろうと覚悟して。案の定、大好きな人と衝突する羽目になる。分かっていたけれど、自身とも何度も対立した、これからも続くのかもしれない。それを恐れていたら、なんにもできないよね。
それから一年後に、『僕のたからもの』という本が生まれました。・・・ことしで三才、だな。
目に見える症状ではないので、どんなふうに苦しい、つらい、と言葉にできません。そのことでいろんなことも言われました。でも、わざとでも、ふりでもなく動けなくなるのです、気持ち悪くて仕方ないのです。それがいつ、襲ってくるのかも分からない。・・・恐怖はつきまとうけれど、まだ動けることがうれしい。そうして日々を大切に過ごしています。
いきなり真っ暗になればたしかにこわいです。・・・けれど、暗い場処では相応の過ごし方があるのかもしれません。おだやかなこころで、光とも闇とも向き合っていけたら・・・そんなふうに感じています。