みんな こどもだったんだ
アンパンマンの 生みの親であるやなせたかしさん
私は アンパンマンを観ていた訳ではないけれど
もちろん しっていたし こどもたちを通して
作品世界にふれることもありました
子ども向け番組 という言い方は
あくまでひとつのジャンルとしての括りで
つくっているのは大人
かつてこどもだった人たちです
だから そのぶん
伝える義務や責任というのが生じるのだと思います
むかし こどもだったころ こんなことがあったな
全部じゃないけれど いま こどもとしてある
存在にも共感できるところがあって
痛いこと 苦しいこと かなしいこと
むつかしいこと 疑問に感じること それらに
何か道すじをつけることができるかもしれない
アンパンマンって かっこいいヒーローとは
違いますよね
すごい武器を持ってるとか必殺技があるとかじゃなく
でも こどもたちはアンパンマンが大好きです
それはきっと 一生懸命に何かをまもろうとする姿勢
どんなときもやさしさをうしなわずに まっすぐでいる
そこに 魅力があるからではないでしょうか
いつわりなく 本気で向き合ってくれる
一緒に 真剣に物事を考えてくれる
大人の世界でも なかなかこうはいきません
気持ちにゆとりがなければ 大半は
自分のことだけに振り回されてしまうから
成長して 大人になることで理解することはあります
ただ こどもの気持ちもなければ 大切なものを
守り育んでゆくことなど不可能な気がしてなりません
夢は こどもだけのものですか
大きなことに挑戦するだけが夢でしょうか
夢なんて なんにもないなあって思っていたけれど
ずいぶん時が経って 見つけた感じです
それって夢なの といわれちゃいそうでも
私にはささやかで 貴重なもの
こどものとき もしかしたらすでに
わかっていたことだったかも しれません
笑顔がとてもきれいで 生きていくことの楽しさを
教えてくれたひとがいました
たぶん そのひとと やなせさんのねがいは
根本でつながっているのです
私も かっこよくなんかないし そんなふうには
生きられない 転んだりつまずいたりして
傷を負うこともあるでしょう
だけど そうすることで 傷ついた人の痛みが
少しはわかることもあるだろうし そうしてきて
しあわせを感じる瞬間に出逢うこともできたのです
どうしてここにいるのって わからないことばかりで
くるしくなる それでも
いたみやかなしみは 永遠には続かない
笑顔を待っているひとがいるよ
必要とするものに出逢えるときがくるよ
臆病で 泣き虫だった私にも
それだけは ほんのちょっぴりわかるから
この先どんなことがあっても
笑いをわすれずにいられたらと思っています
私なりに たくさん 種をまいて
ほほえみの花を いっぱい咲かせられるといいな