呼吸することのはと文字
特別お題「わたしがブログを書く理由」
あのころの自分には ブログなんて書けっこないと思ってた
当初 有名人とか著名なひと あと芸能人みたいなひとたちが書くもんだと
そういった人しか書けないって感じてたから
おまけに 勢いが 凄い
毎日どころか何時間 何分おきかで更新してる人も
今だったらほかの媒体で活動してる人も多そうだけど
とにかくブログが普及し始めた頃には到底 自身が関わる世界じゃないと観じてた
なのに何故?
たぶん・・・影響を受けたであろう お二人
ある歌い手さんと 役者さん
おこがましいといえばそれまで どうしてだか無謀にも
ブログ開設しようとパソコンの前に座り 一歩を踏みだした
役者さんのブログには 時々おじゃましてコメントも投稿してたから
シンプルに インターネットという同じ空間にいたかった のかな
ひどく場違いな氣もしないではなかったですが
言葉に 絶望してしまった時もある
書いても 話しても届かない 理解されない状況が 感情が
そうなってはじめて言葉だけではどうにもならない物事があったのだと氣づく
同時にわたしはこれまで
どれだけの言葉に向き合い 発してきたのか
どれほどの言葉を呑みこみ 消失させてきたのか
そもそも自分のなかに言葉はきちんと吸収されていたんだろうか
がくぜんと した刹那
一文が書けない
そう 自覚したのはいつだったろう
書いても書いても何か違う
やがて その行為が苦痛となり避けるように
ほんとうの意味で
『書く』 がなじんでくるのは
ずっとあとになってから
心身のバランスをくずし
危うさをはらむ状態にならなければ
物語を発見し 描くことがなければ
いま こうして 存在すらできなかった
インターネット上の自己をあらわす手段は色々
わたしにとってそれがブログだった
なにがなんだかわからないままに飛びこんで
ぽつりぽつり のそのそ
時に どぶんと沈み 浮かぶまで時間を要し
ぐじゃぐじゃ あがきもがき 泣き言
時代おくれ
どんくさい
たわけもの なんだとしても
続けることで
だれかがしってくれる
どこかで観ていてくれる
あなたへ 繋がるかもしれないと信じて
毎日じゃない 特別でもない 写真も使わない
それでも
ことのはにふれてこられなかったぶん
伝える 届ける なにより
制限をかけてがんじがらめにしてきた
自分自身をほどいてゆくために
まさかそれが現実になるとは想像もしない出版の湊へと辿り着けたのも
生きていくうえで必然だったのか
聴こえた 視えた あの時空
彼らの声を 異次元の音や 風景を伝えることは
ただの創造ではなく目前の世界がすべてだと思い込むことの恐ろしさを
視えない宇宙に横たわるものに氣づき 認識する役割を有しているのかもしれず
動きを追って記録をとっていたとき
わたしは確かに活かされていた
なにかに憑かれたように筆が導かれ
いのちのぜんぶをつかって物語を 経糸と緯糸を織ってゆきました。。。
「かく」 「はなす」 は 登山や結界の要素をもち
こころの からだの一部
ご縁をいただいたかたへの感謝と
此処に来てくださるかたへの祈りとともに
湧き水 埋み火になれたら 倖せです
どんなにこわくても 遠ざけたくなっても 闇に覆われても
ささやかな愛を忘れずに
人間でいたい
ゆずりは こと 楪蒼朋
∞出版された書籍∞
『僕のたからもの』2004年 『君はそれ以上~出会い』2005年
(新風舎より)
『君はそれ以上~出逢い』2009年(文芸社より)
☆2005年版に加筆修正のうえ再刊されたもの・タイトル一部変更